不満とは、カタチになる。

 今日は初めてスムーズな1日だった！

だそうだ。
今日は少年ではなく
私の番なのでな。

すまないね、お邪魔するよ。


さて、今日はどんな
物語を話そうかな？
そうだな、ある少年の話だが・・・・。


その少年は夢を見ていた。

煌びやかな毎日を
笑顔で過ごせる、そんな夢だ。

そんな日常の中で
夢を抱いた。
自分の好きな事をして
毎日生きる実感を
得ながら時間が過ぎる、そんな夢を。

変わらぬ自分があり
変わらず皆と
笑いあっていければ
それでいいと思っていた。

楽しい今日が終わったら
違う楽しさの明日が自分を
待っていてくれると
信じていた。

疑うことを辞めていた。
いや、辞めていたというよりも
知らなかったのかも
しれない。

それが当たり前のように
繰り返されていたのだから
無理もない。

しかし、時が経ち
少年も否定することが
出来なくなって
夢から覚めてしまう。

皆と共にはいられない。
変わらない自分も
ここにはいない。

それでも少年は信じていたかった。
きっと明日は、と。

しかし、夢から覚めたことを
知った少年は絶望の淵へと
誘われていった。

癒えぬ傷は
消えぬ傷を
残していった。

少年はその傷を
見るたびに
締め付けられる思いを
味わう。

辛く苦しい過去から
逃げ出したい。
愚かな自分を消し去りたい。
浅はかな行為をした
記憶を消滅させたい。

どれも皆
叶わぬことと知りながら。

それでも少年は
願い続け
胸を締め付けられる。

それこそが少年の
過ちの証、夢から覚めた
証なのだから・・・・。