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心の工房へようこそ

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あの時の心が自分のなかで小さくなっていることに
気がついたとき、それはきっとこの世の時間や
流れにやりきれなさを感じたとき。

思い出すことを誰かが推すくらいなら
忘れ去った方がいい。
その時記憶は、記録になる。

意味もなくそこに残した記録。

いつか色褪せ、自然と消えていく。
循環ではなく過去の遺物。

自ら思い出すことを望んだ時は
それは個人としての記憶。

誰かと共有したい
誰にも見せたくない

それぞれの記憶に
それぞれの想いが詰まっている。

美しすぎる記憶や
楽しすぎる記憶。
思い出す度に、いつも疲弊していることに気がつく。
思い出す度に、戻りたくなる。

誰かの明日ではなく、自らの過去を。
誰かの過去ではなく、自らの明日を。
求めた世界は違えど
求めた時間は同じはず。

価値は違えど平等な時間。

誰かに降る不幸や誰かに起こる幸運。

なにもかもが回っている。
ただただ理不尽な流れのなかで。

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少年はある朝、頬を伝う涙で目を覚ました。


少年は、少女に好意を抱いていた。
その無垢な笑顔の少女に惹かれていた。

少年は多くを望みはしなかった。
ただ彼女の笑い声が健やかに
響き渡るのを聞いて、どこか安心していた少年は。

夕暮れの緋色に染まる広い部屋。
そこにたたずむのは一人の少年。
その心はとても澄んでいてその瞳は、
大きく、遠いものを見つめていたように思う。

その時はやがて過ぎ去り
広い部屋は薄暗くいつもと
変わらない静かな部屋だった。
その空間へ少女はやってくる。
その瞳に涙を浮かべて。

少年は胸が苦しくなった。
なぜ泣いているのかわからなくて
千切れるほど締め付けられた。
「なぜ泣いているの?」
少年には聞けるはずもない。

少女は帰り支度をはじめる。
扉を開け、部屋を出ようと足を踏み出して
少女は落ち着かない呼吸で
そっと囁く。
「お幸せに・・・」
少年にはその意味がわからなかった。

無性に怖くなった少年は、凍りついた身体に
鞭打って走り出した。
懸命に追うもその距離は開く一方で
縮まらなかった。

縮まらないこの距離が
心の距離に見えた。
近いのに遠く感じたり
あまりに遠くに感じたり。

駆け出した少年が2階のテラスから
見下ろし辺りに目をやると
そこに少女はいた。
先ほどまで浮かべていた
涙など最初からなかったかのように
胸の奥にしまいこんで、笑っていた。

少年はこみ上げる気持ちを
飲み込んで駆け出す。
離れたくない一心で。

少女は、知らない他人と
肩を並べ行ってしまった。

少年の胸は空白になった。
いろんな何かがこぼれ落ちた。

それが何なのか少年にはもうわからない。
理解するのに必要な、紐解くのに必要な
すべてを失ったのだから。

ただ少年にもわかることがひとつだけ
のこっていた。

彼の視界を歪ませる涙。
彼に残った最後の希望。

その喪失感が溢れ出し
頬に一筋の流れをつくる。


少年は、少女の夢をみていた。


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虚ろだ。
毎日が同じことの繰り返し。
中身なんてなにも
入っちゃいない。
虚ろだ。

私は今
生きてなどいない。
機械的な日常に、
何も書かれていない本。

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ある日少年は、一筋の涙で
目を覚ました。
なぜこんなにも辛い朝が
やって来るのか
わからなかった。

どうして雲一つなく晴れ渡る空の朝が
こんなにも重く苦しいのか、
その答えは少年の胸の中にはない。

その一筋の涙の理由も
わからずに瞬きもなく
ただただ流れる。
その心がどこにあるのか?
その感情が何なのか?

波打つように揺れ動く心。
目を閉じても答えは出ない。
出てくるのは涙だけ。

これがいつの日か流すべき涙であるのなら
今は流れるべきものじゃない。
止まれと思ったところで
勢いは少しも緩まない。

我々は、彼の瞳に映る
あまりにも大きすぎる感情の
ほんの一部さえも理解することは叶わない。

あの時の少年の瞳は
何を見つめていたのだろう?
何を求めていたのだろう?

眼が眩む程眩しい陽の光に
清々しい空気、ただひたすらに青一色の空。

    そんな空の一筋の涙のお話。
        ねぇ、君にあの子の気持ちがわかるかい?
そんな問いに答えられるはずもない。
我々が世界に縛られる限り答えなど
持ち得ることなどない。

「君には一体、何が見えているのかな?」
 
---------------------------------------------------------------------------------------------

あのころはまだ若く
精神飽和などなかった。
自分の意思も薄く
夢の中に生きていた頃だ。
そんな時に心を打たれた。
人の心の脆さが見えたから。

きっと明日は、死んでしまって
機械が活動するようになる、
そう思う瞬間だった。

生きることに価値を見いだせない。
それが屍人である今の私だ。

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